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2011年02月 アーカイブ

傾斜生産とは何か

国内に豊富に存在する唯一の資源である石炭資源の増産こそが生産力回復の鍵であり、ひいてはインフレ抑制の決め手になるというのです。


そこで政府は、従来の年21200万トンという出炭ペースを1挙に3000万トンに高めるという目標をかかげました。


そのために「政府の施策の中心を石炭におき、今後半年ないし1力年は石炭増産に必要な措置を他のあらゆる施策に優先せしめ、石炭超重点主義を実行する」と宣言しました。


これまで石炭の増産が進まなかった最大の原因はといえば、炭鉱設備に使われる鋼材が不足していたからでした。


鉄鋼の生産水準は戦前の10分の1にまで落ちていたのです。


ところが鉄鋼の増産にはもとより石炭の増産が不可欠です。


つまり、石炭と鉄鋼の増産には相互循環的な関係がありました。


こうして、国家によるあらゆる経済施策を、石炭・鉄鋼の増産に集中させる、いわゆる「傾斜生産方式」が強力に推進されることになったのです。


経済安定本部によるさまざまな経済統制は、結局、石炭と鉄鋼を最優先させるための統制にほかならなかったのです。

傾斜生産とは何か 2

まず第一に物資の統制面では次のような優先策がとられました。


生産資材は主務官庁(商工省・農林省・鉄道省など)から交付された割当証明書がなければ売買できないことにしました。


しかし、さらに経済安定本部は、生産資材が重要でない用途・・・


つまり石炭・鉄鋼の増産に役立つもの以外の用途に使用されるおそれのある場合には、主務官庁に対しその生産や使用を制限するよう指令することができました。


第二に資金の統制です。


金融機関の企業への融資額と融資先を厳しく規制し、最重点産業向けを最優先させ、それ以外の産業への融資は必要最少限にしました。


政府は「産業資金貸出優先順位表」をつくり、各産業の重要度に露骨な順位づけを行いました。


第一ランクには、傾斜生産の中心産業として、石炭・亜炭・製銑・製鋼・肥料製造業がおかれました。


その次に、金属鉱業・石油鉱業・石綿鉱業・綿織物・染色業などをランクし、その他の産業を第3ランクとしました。


さらに、絹糸製造業、金属家具製造業、化粧品製造業などについては、奢修的産業として最下位にランクし、冷遇しました。


また復興金融金庫の融資も、石炭と鉄鋼をはじめとする重点産業に集中させ、とくに石炭には、融資総額の3分の1を貸し出しました。

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